店長のこだわり

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店長のこだわり

雑魚(ざこ)という呼び方が、大嫌いだ。どうしようもないとき、雑多な小魚が入り混じったとき、私は雑魚(ざつぎょ)という。同じじゃないかと思うなかれ、1匹の魚を指さして「こんなの雑魚(ざこ)だ」の言葉を聞いたことはないか。雑魚(ざこ)という名の魚は、いない。

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釣りでは、本命を外したら外道である。嬉しい外道というのもあって、五目釣りは楽しい遊びだ。底曳き網、巻き網、刺し網、定置網…漁になると、カネにならない魚はお呼びじゃない。カネにならない魚が雑魚(ざこ)と呼ばれる。

沿岸漁業の不振が嘆かれる昨今、市場に流通する魚類は相変わらず定番商品でしかない。私が少年時代を過ごした新潟県出雲崎では、どんな魚も商品だった。男衆が威勢よくカネになる魚を荷さばきしたあとで、おばちゃんたちが小魚を選り分けている。寒風吹きすさぶ漁港の片隅で、木箱を自転車に積み上げる。包丁とまな板は必須で、魚に不得手な奥さんには料理法を伝授する。

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母はよく「キスに似ているからニギスなんだって」などと、得意気だった。魚を教える魚屋が、消えてしまった。雑魚(ざこ)とは、つまらない人間集団をいう言葉ではなかったか。

魚は拾い上げる愛情だけで、商品になるのだ。

ここあじろ定置網では珍魚はもちろんのこと、ぜひ雑魚と呼ばれる魚たちの本当の風味も味わってほしい。

あじろ定置網 料理長 西潟正人

著書

日本産 魚料理大全(出版社: 緑書房)

ウツボはわらう 『魚屋(うおや)』主人の“さかなばなし”(出版社: 世界文化社)